先週末に大阪で開催された「 Drupal Cafe vol.30 」に参加してきました。今回はその参加レポートをお届けしたいと思います。 イベント概要は次のとおりです。
- タイトル: Drupal Cafe 2015 Vol.30
- 日時: 2015/03/20 19:00-21:00
- 場所: グランフロント大阪 ナレッジキャピタル
- テーマ: Drupal 翻訳について考えよう！
今回はいつもの Drupal Cafe とは一風ちがった感じで、ノウハウの共有ではなく「 日本の翻訳活動のあり方 」についての話し合いが主な内容の Cafe でした。
日本語翻訳といえば、弊社ではこれまで Drupal ブログ上で Drupal ドキュメントを翻訳してきたり個人的にも先日のスプリントの前後から Drupal インタフェースの翻訳をしてきたりと、少しずつではありますがちょこちょこ活動を行ってきたので、このあたりのテーマを取り上げていただけるのは個人的にとてもうれしいことでした。
オープンソースのソフトウェア、コミュニティを盛り上げるというのには大きくふたつの側面があって
- 開発者の層を広げる
- 利用者の層を広げる
という両面での取り組みのどちらも欠かすことができません。 開発者だけ、利用者だけでは成り立たず両方の層がバランスよく成長していくことが重要かと思います。
ただ、日本においてはやはり「英語が得意だ！」という方はそれほど多くないため、 1 と 2 のいずれの取り組みにおいてもまず第一に重要なのは「 日本語環境を整備する 」ということになってきます。
開発者側の日本語環境といえばやはり「 開発用ドキュメント 」、そして、利用者側の日本語環境といえば書籍やネット記事などもありますが何より大事なのは「 ソフトそのもののインタフェース 」だと思います。
ソフトそのもののインタフェースといえば、本記事執筆時点の Drupal の最新版である Drupal 7 では少なくともコアの部分は大方日本語化が済んでいる状態ですが、次のメジャーリリースである Drupal 8 のインタフェースにまだまだ未翻訳 / 未精査の部分が多く残っているのが本記事執筆時点の現状です。 また、最近の日本語翻訳の取り組み全体が停滞気味・・・というところもとても気がかりな部分でした。 今回の Cafe はこのあたりの環境を整備して活動を活発化しようという試みの一環として行われました。
弊社では Drupal を専門にホームページ制作を行っており、日頃から Drupal のお世話になっているという立場にあります。 ですので率直に言って、 Drupal を日本で広めることには会社として直接的なメリットがあります。 ただ、その立場を差し引いて考えてみても、 Drupal はスクラッチ開発や他の CMS 、 Web フレームワークでは何十時間、何百時間とかかってしまうような機能の実現がその何分の一、何十分の一のコストでできてしまうような非常に優れたソフトウェアだと思いますし、このような優れたオープンソースのソフトウェアを活用することには日本の社会全体として大きなメリットがあるものと思います。
最近では人工知能や強化学習、画像認識などのソフトウェアに関するニュースを目にしない日はないくらいに、 IT / ソフトウェアが社会のいたるところで活躍する時代になりました。 そんなソフトウェアの時代において、ここ日本でオープンソースをうまく活用できるかどうかは、大げさにいうなら「国しての日本」の IT 競争力の維持 / 向上にとって最重要ポイントのひとつと言ってもよいぐらいのものかと思います。 ですのでこのあたりはもちろん 第一には弊社の経済活動としての意味合い もありますが、 プラスアルファの社会的活動としての意味合い もあると捉えて今後はより積極的にがんばっていきたいと思います！
今年は Drupal 8 の安定版がいよいよリリースされるだろうという見込みもありますので、コミュニティのみなさんと協調しながらまずは翻訳活動の部分を盛り上げていきたいところです。
Drupal やオープンソースの日本語環境の整備の取り組みに興味のある方にとってこれからの Drupal Cafe はまたひとつおもしろくなっていくと思います。 興味はあるけど Drupal Cafe についてあまりよく知らないぞという方のために、解説ページへのリンクをはっておきます。 よろしければご覧になっていただき、よろしければ参加！してみてください。
あわせて、今回の Cafe で話題に上がった Drupal 日本語翻訳ページなどのリンクもつけておきます。 こちらも興味のある方はご覧になってみてください。
（今回は写真を撮るのを忘れてしまいました・・・）
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