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Drupalとは
Drupal(ドゥルーパル)は、商用・非商用問わず誰でも無料で導入できるオープンソースのCMS(コンテンツ管理システム)です。
豊富な機能と高い拡張性、堅牢なセキュリティ、多言語対応やカスタマイズの容易さなどの特徴から、グローバル企業や大企業、政府機関、大学を中心に、エンタープライズ向けハイエンドCMSとして世界中で高いシェアを誇っています。

Drupalは130万人を超える世界最大級のオープンソースコミュニティによって支えられており、その広範で活発なユーザーベースと開発者ネットワークが、継続的な技術革新を促進しています。ヘッドレスCMS対応など最新のWeb技術も積極的に取り入れ、エンタープライズ規模の複雑な要件にも対応可能なプラットフォームとして、ユーザーに先進的なデジタル体験を提供し続けています。
Drupal の特徴
1. 拡張性が高い
Drupalは、非常に汎用的に利用できるCMSとして設計されており、幅広い用途に対応できる高い拡張性と柔軟性を持っていることが大きな特長です。Webサイトの定番機能を低コストで構築できる「CMS」と、高い拡張性を持つ「Webフレームワーク」の両方の強みを兼ね備えており「オリジナルCMSをつくるためのフレームワークのような存在」と表現されることもあります。
シンプルで洗練されたコア機能(標準機能)に、必要に応じて追加の機能を「モジュール」として組み込むことで、自由度の高いWebシステムの構築が可能。これにより、シンプルな企業サイトから複雑なデータベース駆動型のアプリケーションまで、要件に応じて自在にカスタマイズすることができます。
「モジュール」には、大きく分けて次の3種類があります。
コアモジュール(標準機能)
Drupalのコア機能も複数のモジュールの集まりでできており、「コアモジュール」はDrupalの本体に標準状態で含まれているモジュールを指します。Drupalをインストールすると自動的に利用可能で、Webサイトで一般的によく利用される基本的な機能を提供しています。
コアモジュールの例
- コンテンツ管理
- ユーザー権限管理
- 検索機能
- お問い合わせフォーム
- 多言語機能
コントリビュートモジュール(拡張機能)
「コントリビュートモジュール」は、Drupal コミュニティメンバーによって開発・提供されたモジュールで、Drupal公式サイトからダウンロードして使用することができます。無料で公開されている26,000個以上※のモジュールを組み合わせることで、ニーズに合わせたWebシステムを高いコスト効率で実現することができます。
※2024年8月時点でサポートが継続しているバージョン向けに配布されているモジュール数
コントリビュートモジュールの例
- 予約投稿機能
- ウェブフォーム
- SNS連携
- CSVダウンロード
- ランキング表示機能
カスタムモジュール(独自機能)
カスタムモジュールは、特定のニーズに合わせて独自開発したモジュールを指します。既存のモジュールで要件を実現できない場合は、一から開発することで必要な機能を実装することができます。カスタムモジュールの開発にはコストがかかりますが、細かな要件にもフィットしたオリジナル機能を実現できるのが最大のメリットです。
カスタムモジュールの開発事例については「Drupalサイト開発」をご覧ください。
スタジオ・ウミでは、Drupalの高い拡張性を活かしコスト効率を最大限に高めるための最適なモジュール選定やアプローチのご提案を通じ、お客様のビジネスの成功を全力でバックアップします。
2. 洗練された管理機能
Drupalは、管理画面のUI(ユーザーインターフェース)を含め、管理機能にも定評があります。バージョンアップを重ねるごとに洗練されたデザインへと進化を遂げているインターフェイスは、直感的で分かりやすく、心地よい操作感で扱うことができます。コンテンツの作成・編集・公開などの基本作業はシンプルな操作で行え、専門知識がない方にもストレスなくサイトを運用いただけます。
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また、「ユーザー管理」や「権限管理」が非常に柔軟で管理しやすい点もDrupalの特長のひとつです。粒度の細かい権限設定や、1人のユーザーに復数の役割を持たすといった複雑な設定も可能なため、複数の部門やチームが関わるサイトも適切な権限管理ができ、セキュリティ向上や業務効率化に貢献します。
さらに、Drupalの管理画面は自由度が高く、管理メニューの追加や表示内容などをユーザーニーズや業務フローに合わせてカスタマイズできる点も魅力です。これらの特長により、Drupalは複雑で大規模なサイトもスムーズに運営できる強力なプラットフォームとして、ユーザーから高い支持を得ています。
3. 堅牢なセキュリティ
Drupal は、世界最高水準のセキュリティを備えた安全なソリューションとして、厳しいセキュリティ監査を設けている世界有数の大企業、政府、機関、大学をはじめ世界中の数多くのWebサイトで採用されています。
セキュリティ専門チームによる活動
Drupalにはセキュリティの専門家によって構成されたセキュリティチームが存在し、潜在的な脆弱性の調査や検証、対応策の勧告といった重要な活動をはじめ、多くの安全対策を講じています。また、他のCMSと比較してもセキュリティ更新頻度が多いことからも、メンテナンス活動が活発に行われていることが伺えます。
セキュリティの脆弱性が発見された際は、セキュリティチームがその重要度に応じて5段階で評価・周知し、セキュリティアップデートが提供されます。サイト管理者はこれらの情報に従ってアップデートを適切に行い、システムを最新の状態に保つことで、Drupalの持つ強固なセキュリティーの恩恵を得る事ができます。
一般的なセキュリティ脆弱性への対処
Drupalは、ソフトウェアセキュリティに特化した組織として知られる「OWASP※」の基準に準拠し、標準状態で安全に利用できるよう設計されています。SQLインジェクションやクロスサイトスクリプティングといった一般的な攻撃手法への対策をはじめ、重大なセキュリティリスクを未然に防ぐための対策が施されています。
また、セキュリティ強化に有用なSSL、ユーザー管理、権限管理などの機能が標準で備わっているだけでなく、強固なパスワード管理とデータベースの暗号化など、情報漏洩や不正アクセスなどの万が一の事態にも備えたリスク軽減のための技術も積極的に取り入れられています。
※「OWASP」とは、The Open Web Application Security Projectの略で、ウェブアプリケーションセキュリティをとりまく課題を解決することを目的とした非営利組織。ソフトウェアのセキュリティの規格化を通し、その改善に注力しています。
世界最大規模のコミュニティによるサポート基盤
Drupalコミュニティは100万人を超える世界最大規模のOSSプロジェクトで、公的機関からも支援を受けながら、日々活発な意見交換が行われています。Drupalは、世界150カ国以上の政府機関や大企業、大学などでの導入実績があり、高度なセキュリティを要する著名なサイトで採用されることで、さらに高強度なセキュリティ技術がコミュニティに還元されるという好循環を育んでいます。
この広範で活発な開発者コミュニティのサポート基盤は、脆弱性の迅速な発見と修正、セキュリティベストプラクティスの共有、問題解決サポート、定期レビューとアップデートなどにより、セキュリティリスクを最小限に抑え安全性を高めています。著名サイトでの採用実績がセキュリティの信頼性を示すとともに、こうした盤石なサポート体制があることは、Drupalの安全性に対する大きな安心材料となっています。
Drupalのセキュリティについてより詳しい情報をご覧になりたい方は、公式サイトで公開されているセキュリティホワイトペーパーもご参照ください。
他CMSとの違い
日本では、CMSというと「WordPress」を思い浮かべる方も多いかもしれません。オープンソース、PHP、拡張機能が多いなどの共通点もありますが、実は、この2つはあまり競合していません。ブログシステムとして高い完成度をもつWordPressは初心者フレンドリーで小〜中規模サイトに適したCMSといえます。一方のDrupalは、大規模で複雑性の高いシステムに適しており、商用CMSと競合する唯一のオープンソースCMSとして、その独自の地位を確立しています。
Web開発ツールとしてのDrupalの位置付けは下図を参照ください。Drupalは、他のCMSに比べて低レイヤーからの開発が可能で非常に高い拡張性を持っていることが他CMSとの大きな違いです。このため、他のCMSで起こりがちな「やりたいことが実現できない」というケースに直面することが少ない点も、 Drupalが多くの方に支持される理由のひとつです。

この特性は、Webビジネスに欠かせない公開後の継続的改善(機能追加や改善、インタフェース変更など)にも非常に有利です。他のCMSでは、機能追加や改修を重ねることでメンテナンス性やパフォーマンス低下の問題が発生するケースがありますが、Drupalは、最初からカスタマイズを前提として設計されたフレームワークであること、スクラッチ開発や他のWebフレームワークに比べ「基本作法(=スタンダード)」がよく整備されていること、機能とデザインをきちんと切り分けメンテナンス性を維持しやすい設計で作られていること、といった点から、そういったケースに直面することがほとんどありません。
中長期的な視点でも費用対効果(サイトのライフスパン全体における費用対効果)の高いサイトを実現したいとお考えの方は、ぜひ候補のひとつとしてDrupalをご検討ください。
Drupal に向いているWebサイト
中規模〜大規模の
Webサイト
Drupalは高いスケーラビリティを持ち、トラフィックが多いサイトや複雑な構造を持つ大規模なサイトに適しています。
コンテンツの種類や
ボリュームが多いWebサイト
複数のコンテンツタイプやフィールドを自由に設定でき、大量のコンテンツを効果的に管理できます。動画、画像、音声など多様なメディアコンテンツを扱うサイトにも、Drupalの強力なメディア管理機能が役立ちます。
複数の権限設定が
必要なWebサイト
ユーザーの役割や権限を細かく設定できるため、複数のユーザータイプに合わせてアクセスレベルを柔軟に管理でき、会員サイト、社内ポータルサイトなどの構築にも向いています。
多言語サイト
強力な多言語機能を備えており、グローバルなサイト運営をスムーズにサポートします。国内でも大手グローバル企業のコーポレートサイトや大学サイトなどで多数の導入実績があります。
外部データとの連携が
必要なWebサイト
多様なAPIとデータ統合機能により、外部システムやデータソースとの連携にも柔軟に対応が可能です。
オリジナル機能の開発や
カスタマイズが必要なWebサイト
柔軟なモジュラー構造と開発フレームワークを活用し、独自の機能やカスタマイズが容易に行えます。
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