こんにちは、森山です。 今日は英語ホームページを日本向けにローカライズする際に気をつけたいポイントについてお話ししたいと思います。 さて、まずは「ローカライズって何?」という方のために簡単に簡単にご説明させていただきます。
localize(ローカライズ)【他動詞】発音/lóʊkəlὰɪz
ローカライゼーションまたはローカリゼーションとも呼ばれ、ある特定の国を対象に作られたものを、別の国でも利用できるようにその国の言語・法令・慣習などに合うよう修正することを指す。単に翻訳するだけでなく、その国に応じた機能を追加する場合もある。
直訳の場合の意味は「地方に制限する」「地方的特色を与える」「地方化する」など。
スタジオ・ウミでは英語圏のお客様からのご依頼もお受けしておりますので、「現在海外で展開している英語版ホームページを新たに日本人向けに作りたい」といったご依頼や、日本でサービスを展開している外国人のお客様からの「ホームページをもっと日本人に合った内容に作り替えたい」などといったご要望にお応えしてきた実績があります。それらの経験の中で得たいくつかのポイントをご紹介させていただきます。
1. できるだけ深く、クライアントを理解しよう
これはローカライズする場合に限ったことではなくホームページ制作全般において外せないことではあるのですが、既に英語版のホームページができあがっている場合などはおろそかになりがちで、且つとても重要なことなので、気をつけたい点として最初にあげておきたいと思います。
翻訳やデザインなどの制作作業をはじめる前に、まずはクライアントのサービス内容や特徴、ターゲットユーザー、目的、背景、企業理念などをできるだけ深く理解するように努めましょう。クライアントに直接確認するだけでなく、現在のホームページやパンフレットなどの資料などにもできるだけ目を通しておくとよいでしょう。
下記にあげている気をつけたいポイントも、この「理解」ができていない、あるいは間違っていると、正しい判断ができない場合があります。クライアントについて正しく理解することは、正しいローカライズの第一歩と覚えておきましょう。
2. 英語をそのまま直訳しない
ローカライズの大きなポイントのひとつはコンテンツの翻訳の仕方です。英語を日本語に直訳すると私たち日本人が読んだ時にどうしても違和感のある文章になりがちです。伝えようとしている内容が違和感なくユーザーに伝えられているかどうかを確認しながら自然な日本語になるよう心がけましょう。
また、既存の文章だけでは日本人にとって理解しにくい場合は必要な文章を追加したり、逆に不要な文章を削除するなどの配慮も必要です。一言一句に配慮する細やかさを持ちつつも、全体としての目的を理解・把握した上で要不要を判断するようにしましょう。
また、翻訳するにあたってもっとも難しく、そして、やりがいを感じられる部分はキャッチコピーではないかと思います。目立つ部分でもありますので、ある程度時間をかけてユーザーの心に響く言葉を考えたいですね。前述のクライアントに対する理解がきちんとできていれば、比較的考えやすくなるかと思います。
3. 日本人の感性に合わせたデザインを
そして最後のポイントは、スタジオ・ウミの得意分野でもあります「デザイン」です。
海外と日本では、好まれるWebデザインの傾向が異なることは多くの人が知っている事実ですが、ではどのような点に気をつけてローカライズを行えば良いでしょうか。
いくつかのポイントに沿ってご紹介したいと思います。
色
ローカライズの対象ホームページの配色は日本人の感覚に合った色づかいになっていますか?
日本には古来より使われてきた伝統色がありますが、もちろん一概にそうした「和」の色づかいにすればよいというわけではありません。大切なことは「そのホームページで伝えたい内容にマッチしている」と「日本人」が感じるかどうかです。
海外のホームページはどちらかと言うと鮮やかではっきりとした色づかいが好まれます。日本のホームページも以前よりはくっきりと鮮やかな色づかいが増えてきたように感じますが、日本人にとって「鮮やかさ」は時として必要以上の「若々しさ」や「新しさ」あるいは「強さ」といった印象をもたらす場合があります。
一方で、日本では海外に比べ「パステルカラー」が好まれる傾向があります。海外では「プロフェッショナルな印象がしない」と敬遠されることもあるそうですが、日本では「明るく優しい雰囲気」として企業ホームページなどでもごく一般的に使用されています。
Webデザインのローカライズを行う際にはこういった点もふまえて、意図した配色効果が表現できているかどうか客観的に判断し、必要に応じて変更するようにしましょう。
また、色の変更の際にはコーポレートカラーへの配慮も忘れてはいけません。既に決められたデザインガイドがある企業ホームページのローカライズを行う場合はデザインガイドに則った変更が必要です。本来のブランドイメージを損なわないように気をつけましょう。
例えば同じ色を使ってもその配色の分量を変更するだけでも随分と印象を変えることが可能です。デザイナーの腕の見せどころでもあり、楽しみどころでもありますね!
フォント
フォントの種類
日本語フォントは「明朝体」と「ゴシック体」に大別することができます。そして、英語フォントは「セリフ体」と「サンセリフ体」に大別できます。基本的には元々のホームページがセリフ体の場合は明朝体を、サンセリフ体の場合はゴシック体を使用すれば、あまり印象を変えることなくローカライズが可能です。ただし、ブラウザ上では明朝体よりゴシック体の方が視認性が高く、ホームページでは一般的にはゴシック体を使うことが多いです。見出し等、目立つ部分のみフォントを変更するだけでも大きく印象が変わりますので、見やすさとユーザーに与えたい印象の両方を考慮しながらバランスを見て調整するのがおすすめです。
また文字パターンが少ない英語フォントに比べ、漢字やひらがな・カタカナなど様々な種類の文字を有する日本語フォントでは、デザインフォントの種類が圧倒的に少ないのが現状です。英語版でもし特徴のあるデザインフォントを使用している場合はその表現に見合った別の要素を検討する必要があるかもしれません。
フォントのサイズ
フォントでもうひとつ気をつけたいのはサイズです。日本語フォントは英語フォントに比べて大きく見える特性があります。そのため、日本語版ホームページに英語版ホームページと同じサイズのフォントを使うと、英語版よりも大きく見えて読みづらくなったり画面全体としての雰囲気が変わってしまうことがあります。日本人ユーザーが読みやすくデザインイメージを損なわないサイズに設定し直しましょう。
斜体はできるだけ使わない
英語の文章では強調する部分に斜体を用いられますが、日本語ではあまり使用しない方が良いでしょう。というのも、シンプルな理由なのですが、日本語フォントを斜体にすると単純に読みにくいからです。英語ホームページで斜体を使用しているからとそのまま斜体にしてしまわないように気を配りたいですね。ホームページのデザインに合わせて強調表示の表現もローカライズしてあげましょう!
画像
意外と忘れがちな部分でもありますが、画像の差替確認も忘れずに行うようにしましょう。特に人物が写っている画像の場合はホームページの印象を大きく左右する要素となりますので注意が必要です。外国人モデルを使用している画像を日本人モデルに変更するだけでも、日本人にとってぐっと自然な印象に変わるでしょう。
まとめ
さて、思いつく3つのポイントを挙げさせていただきましたが参考になりましたでしょうか。
今回はデザインや表現に関する部分のみに絞ってご紹介させていただきましたが、その他にも様々なポイントが考えられます。それらについてはまた今後、他のメンバーが書いてくれる・・(といいな)!
スタジオ・ウミでは英語ホームページのローカライズや、英語ホームページ作成も得意としております。ネイティブのEnglishスピーカーも在籍しておりますのでEnglishでも日本語でもどちらでもご対応可能です。ご興味をお持ちの方はぜひお気軽にご相談ください。
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