こんにちは、スタジオ・ウミの大野です。
今回は drupal.org のダウンロードページのモジュールセクションにある、Drupal 8 でのサイト利用数が上位20以内の定番と言えるモジュールを簡単に紹介します。
1位: Token
- 利用サイト数: 65,089サイト
- バージョン: 8.x-1.0
Drupal 上に設定されたフィールドに対して、特定のキーワード(トークン)を設定しておくことで、閲覧中のページなどの現在の状況に応じたテキストを自動入力することができるモジュールです。
例えば、フィールドのデフォルト値として [site:url]
と入力しておくことで、そのフィールドが利用されるフォームを開くと現在のサイトのURLが自動的に入力されます。
基本的には他のモジュールから利用する事が多く、単体で使う機会はあまりないかもしれません。
2位: Chaos tool suite (ctools)
- 利用サイト数: 61,629サイト
- バージョン: 8.x-3.0
Chaos tool suite はモジュール開発者向けの便利な機能を提供するモジュールです。単体で利用することはありません。他のモジュールの依存モジュールとして設定されることが多いため、上位に入っています。
3位: Pathauto
- 利用サイト数: 52,580サイト
- バージョン: 8.x-1.0
ノードやタクソノミーターム、ユーザーのURLを Token を使って自動的に生成する機能を提供します。
例えばノードのURLはデフォルトは node/123
のようなURLですが、news/[node:nid]
と設定しておくことで、コンテンツを作成した際に news/123
と言ったURLでアクセスすることができるURLのエイリアスを生成してくれます。
Drupal 7 版の記事ですが、自動的にURLを生成できる Pathauto モジュールと言うブログを書いています。Drupal 8 版では UI や仕様が大きく変わっているので、あまり参考にはなりませんが、雰囲気はわかるかもしれませんので、よろしければご覧ください。
4位: Admin Toolbar
- 利用サイト数: 50,880サイト
- バージョン: 8.x-1.19
Drupal コアの Toolbar を置き換える形で利用する、管理者の運用に更にフォーカスしたツールバーです。通常の Toolbar と比べ、プルダウンでメニューにアクセスすることができるようになり、キャッシュのクリアなどのアクションもメニューから素早く行うことが可能です。
5位: Metatag
- 利用サイト数: 33,995サイト
- バージョン: 8.x-1.2
名前の通り、管理画面上から様々なメタタグを設定する機能を提供するモジュールです。OGPなどの特殊なメタタグもこのモジュールと Token モジュールを組み合わせることで簡単に設定することができます。
6位: Entity Reference Revisions
- 利用サイト数: 29,579サイト
- バージョン: 8.x-1.3
エンティティ参照型のフィールドを、リビジョン機能に対応させることができるモジュールです。9位で紹介する Paragraphs モジュールや Field collecion モジュールを利用する場合に便利です。
7位: Devel
- 利用サイト数: 27,098サイト
- バージョン: 8.x-1.0
開発者用に様々なデバッグ用の機能を提供するモジュールです。カスタムモジュールやテーマを開発する場合には必須のモジュールです。
Drupal 7 版の記事ですが、Drupal 開発に便利なツールを提供する Devel モジュールというブログを書いていますので、ご覧ください。
8位: Field Group
- 利用サイト数: 27,634サイト
- バージョン: 8.x-1.0-rc6
ノードなどのエンティティに設定するフィールドをグループ分けし、開閉可能なようにしたり単純にフィールドセットにしたり構造的にもビジュアル的に分けることができるモジュールです。入力フォーム、表示画面と個別に設定することが可能です。
9位: Paragraphs
- 利用サイト数: 25,478サイト
- バージョン: 8.x-1.1
コンテンツを今までのアプローチとは違った方法で組み立てていくことができるモジュールです。管理画面からブロック単位で要素を一つ一つ追加していくことができます。比較的新しいモジュールですが、海外での利用数が多く急激に人気が出たモジュールです。パラグラフのフィールドは予め別のエンティティとして構築したりする必要があるため、Drupal 初心者の方には少し敷居が高いかもしれません。
10位: Entity API
- 利用サイト数: 24,511サイト
- バージョン: 8.x-1.0-alpha4
Drupal 7 の頃に、エンティティの取り扱いをもっと簡単にするためのAPIを提供するモジュールとして誕生しました。Drupal 8 ではその殆どの機能がコアで実装されましたが、Drupal 8 版の Entity モジュールではエンティティAPI改良のために開発が続けられています。
APIの提供しかありませんので単体では動作しません。モジュール開発者が利用する上級者向きのモジュールです。
Drupal 7 版の記事ですが、Drupal 7 の Entity Metadata Wrapper の基本的な使い方と言うブログを書いております。
11位: Google Analytics
- 利用サイト数: 23,967サイト
- バージョン: 8.x-2.1
Drupal 上に Google Analytics のトラッキングコードを埋め込むことができるモジュールです。基本的にはIDを管理画面から設定するだけで利用できますが、ユーザーのロールに応じてトラッキング対象を絞ったりすることも可能で、様々な設定が管理画面上で行なえます。
12位: Video Embed Field
- 利用サイト数: 23,030サイト
- バージョン: 8.x-1.5
動画埋め込み用のフィールドを追加するためのモジュールです。YouTube や Vimeo などの大手の動画配信サイトには殆ど対応しています。
13位: Configuration Update Manager
- 利用サイト数: 19,176サイト
- バージョン: 8.x-1.3
コアの設定の同期機能にレポート表示機能を追加してより管理しやすくするモジュールです。設定の差分確認や個別エクスポートをより簡単に行うことが可能になります。
14位: Webform
- 利用サイト数: 19,286サイト
- バージョン: 8.x-5.0-beta16
Drupal のモジュール中でも Drupal を使う理由の一つにもなるほどの利便性・柔軟性を兼ね備えた、有償・無償のCMS全て含めても最強のお問い合わせフォームです。お問合わせの項目の設定や、集計、エクスポートなど様々なことが管理画面で完結します。弊社の山中が書いた、Webform 8.x-5.x の新機能を 9 つピックアップして紹介と言う記事で、Webformの機能を解説していますので、ご覧ください。
15位: Inline Entity Form
- 利用サイト数: 19,559サイト
- バージョン: 8.x-1.0-beta1
ノード(エンティティ)の編集フォームで、エンティティ参照フィルードのエンティティを作成・編集することができるモジュールです。
16位: Entity Browser
- 利用サイト数: 17,747サイト
- バージョン: 8.x-1.1
エンティティ参照フィールドなどでエンティティを参照するためのブラウザ機能を提供するモジュールです。通常は Inline Entity Form と組み合わせて利用します。
17位: Redirect
- 利用サイト数: 18,691サイト
- バージョン: 8.x-1.0-beta1
特定のパスにアクセスしてきたユーザーをリダイレクトすることができるモジュールです。ウェブサイトをリニューアルした際に適切なページへリダイレクトしたい時に役立ちます。
18位: Media entity
- 利用サイト数: 16,792サイト
- バージョン: 8.x-1.6
画像やオーディオ、スライドショーなどをエンティティとして取り扱うことができるようにするためのモジュールです。スライドショーなどを実装する際に、ノードで作ってしまうと不要な詳細画面ができてしまいますが、メディアは個別にアクセス権限がセットすることができます。なお、このモジュールは Drupal 8.4 からコアに取り込まれる予定です。
19位: Search API
- 利用サイト数: 15,509サイト
- バージョン: 8.x-1.3
様々なエンティティを検索できるようにし、検索をカスタマイズするためのAPIを提供するモジュールです。
20位: Embed
- 利用サイト数: 15,258サイト
- バージョン: 8.x-1.0
Drupal コアで提供される CKEditor に、エンティティなどを埋め込む機能・ボタンを追加します。このモジュールはAPIの提供だけですので、利用するには Entity Embed モジュールなどが必要です。
いかがでしたでしょうか。駆け足で20個のモジュールを紹介しました。人気のあるモジュールはこのUmiブログでも今後掘り下げて紹介して行く予定です!
Drupal 7 のランキングに比べると Views や Date などの定番モジュールがランキングから居なくなっていますが、それらは全て Drupal の標準モジュールとして搭載されています。Drupal はバージョンアップを重ねる毎に、メジャーで安定したモジュールを本体に取り込んでいくことも特徴の一つですね。
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