本日は「 Drupal 7 のサイト管理に欠かせない必須モジュール」と題しまして、エンジニアやデザイナーではなく主にサイトの「運用管理」を担当する方におすすめの Drupal (ドルーパル)モジュールをまとめてご紹介してみたいと思います。 対象バージョンは掲題のとおり Drupal 7 です。

ふだん私たちはサイトを構築する方がメインで、どちらかというと開発者向けのモジュールへの興味を強く持っていますが、 Drupal にはその活発なコミュニティが提供する運用効率化のためのモジュールが数多く存在します。 実際、サイト管理をしていて「こんなのがあったらいいなぁ」と思いつくような要望についてはすでにどれかのコントリビュートモジュールが解決してくれていると考えてもよいくらいです。

原則、「最近ウミで触れる機会が多くて、かつ、管理者の方に広くおすすめできるモジュール」ということで今回いくつか代表的なものをご紹介したいと思います。

リストはこちらです。

  1. Administration Views (admin_views)
  2. Adminimal Admin Menu (adminimal_admin_menu)
  3. Coffee (coffee)
  4. Flood Unblock (flood_unblock)
  5. Localization client (l10n_client)
  6. Masquerade (masquerade)
  7. Module Filter (module_filter)
  8. Rules filter (rules_filter)
  9. Variable (variable)

以下順番に見ていきましょう!

1. Administration Views (admin_views)

Administration Views モジュールは管理画面のノード一覧ページやユーザ一覧ページをデフォルトのものから Views ベースのものに置き換えるモジュールです。

ノードやモジュールの管理者向け検索 / フィルタリング機能を大きく改善し、 Views Bulk Operations ベースの一括編集機能もデフォルトで有効にしてくれます。 Drupal 8 では Views がコアに入っていますが Drupal 7 では Views はコントリビュートモジュールという位置づけですので、このモジュールもコントリビュートモジュールとなっていますが、コアに入ってもよいくらいのモジュールだと思います。

「デフォルトの一覧ページでは物足りない」「他にも機能を追加したい」という方におすすめです。

2. Adminimal Admin Menu (adminimal_admin_menu)

Adminimal Admin Menu モジュールは管理者用のツールバーの UI を改善してくれるモジュールです。

見た目を今風のフラットでシンプルなインタフェースにしてくれるのとあわせて、サブメニューのドロップダウン表示、粒度の細かなキャッシュクリア機能の提供、レスポンシブ化などひとつのモジュールでさまざまな改善を施してくれます。

管理画面を使いこなしていて頻繁に複数画面を行き来する方、タブレットやスマートフォンでちょろっとだけ管理画面を触りたい方におすすめです。

3. Coffee (coffee)

Coffee モジュールは Mac OX でいうところの Spotlight や Alfred アプリに近い UI を Drupal 管理画面上で提供してくれるモジュールです。

管理者向けページの各種ページをショートカットで開くことができるようになります。 Alfred をかなり意識されているようで、見た目や操作感は Alfred そのものです。 Mac に馴染みのある方であれば導入してすぐに快適にお使いいただけるかと思います。 同種のモジュールにそのままずばりの Spotlight という名前のモジュールもありますが、今のところ Coffee の方が便利のように思います。

ふだん Mac をお使いになっている効率オタク(笑)やマウス嫌い(笑)な方にはおすすめのモジュールです。

4. Flood Unblock (flood_unblock)

Flood Unblock は Drupal の認証周りの Flood 機能の足りない部分を穴埋めしてくれるモジュールです。

Drupal はログインに立て続けに失敗するとそのアクセス元をブロックする Flood という機能を備えていますが、コアの機能ではいったんブロックされたアクセス元のブロックを解除する方法がありません。 そのブロック解除のインタフェースを提供してくれるのがこの Flood Unblock モジュールです。

ログインに不慣れでしょっちゅうブロックされてしまうような利用者が多いような環境でおすすめです。

5. Localization client (l10n_client)

Localization client モジュールは翻訳用モジュールです。

こちらを使うと Drupal が提供するインタフェースをサイト上でそのまま翻訳することができるようになります。 翻訳での Drupal へのコントリビュートには必須とも言えるモジュールですが、多数のモジュールを利用した多言語サイトを利用している場合にも重宝するモジュールかと思います。

コントリビュートモジュールを頻繁に新規導入される方におすすめです。

6. Masquerade (masquerade)

Masquerade モジュールはユーザーのなりすまし作業をかんたんにしてくれるモジュールです。

このモジュールを使うと、権限を持った管理者ユーザーが一時的に他のユーザーになり変わって操作を行い、また元の管理者に戻るということができるようになります。 一般ユーザーと管理者とで確認できるページが異なるサイトや、ときどき一般ユーザーの代わりに操作をする必要があるサイトで重宝されるかと思います。

「一般ユーザー向けのサポートをユーザーと同じ画面を見ながら行いたい」という方におすすめです。

7. Module Filter (module_filter)

Module Filter モジュールはモジュール一覧ページの UI を改善してくれるモジュールです。

デフォルトには存在しないインクリメンタルのテキスト検索機能やグルーピングパネルを提供してくれます。 どちらかというと開発者が使う場面の方が多いかと思いますが、管理者の方がコントリビュートモジュールのことをよく理解していて、自身で管理したいという場合には便利です。

モジュール管理も行いたい管理者の方におすすめです。

8. Rules filter (rules_filter)

Rules filter モジュールは Rules モジュールの一覧ページの UI を改善してくれるモジュールです。

Rules を多用しているとデフォルトの一覧ページはすぐにカオスになってわかりづらくなってしまうので、 Rules ベースでいろんな処理を走らせるようなサイトでは必須ともいえる重要モジュールかと思います。

Rules をバリバリ使いたいという方におすすめです。

9. Variable (variable)

Variable モジュールは Drupal がグローバルに持つ各種設定情報を簡易的に管理する機能を提供するモジュールです。

中でも variable_admin というサブモジュールを利用すると各種設定を管理画面上から確認したり変更したりといったことができるようになるため、 variable_admin を使う形であれば管理者の方にぜひおすすめしたいモジュールのひとつです。

「サイト全体の設定を UI からかんたんに変更したい」という方におすすめです。

以上です。 いかがだったでしょうか?

今回は「サイト管理に欠かせないモジュール」ということで、主に管理者の方向けのモジュールをご紹介しました。 他にも便利なモジュールはたくさんありますが、広く多くの方におすすめできるモジュールということで今回は上の 9 つをあげさせていただきました。

他の CMS でも同様の機能を備えたものが多数あるかと思いますが、このような機能が高いクオリティでかつ要件に対応して柔軟に取捨選択できる点が Drupal を選ぶ大きな理由のひとつかと思います。 「これもいいよね」というものがございましたらコメントなどでお教えいただけますと幸いです。


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