全国のDrupalistの皆さんこんにちは。
5月1日に実施されたマイナーアップデートの内容を翻訳してきたのでご参考にしていただけると幸いです。
(翻訳開始)
Drupal8.7.0の配布が開始されました
(翻訳元: Drupal 8.7.0 is available、翻訳元の作成日 2019年5月1日)
Drupal 8.7.0では何が新しくなったのか?
このリリースではDrupalを全く新しいレベルに引き上げるパワフルな機能が導入されました。新しい安定版のJSON:APIコアモジュールや、直感的でわかりやすいLayout Builderがその一つです。
Layout Builderの安定版が出ました
Layout Builderモジュールは8.5.0で試験的モジュールとして導入されました。Drupal 8.7.0からは安定版となり、製品サイトに使っていただけるようになりました!このモジュールは強力で使いやすく、モバイル・フレンドリーであるだけでなく、リビジョン、ワークフロー、in-contextプレビュー(その場でプレビューできる機能)と同時に使用することができます。
Layout Builderを使うことで、サイトビルダーは素早くコンテンツのレイアウトテンプレートを作ることができます。また、コンテンツの作者は個々のページにユニークなレイアウトをあててカスタマイズすることができます。
レイアウト作成時、コンテンツのブロックはドラッグ&ドロップで移動させることができます。キーボードでブロックの位置をコントロールすることもできます。また、ブロックのプレビューのオン・オフを切り替えることもできます。
これらの機能によって創造性を保ちながら大量のコンテンツを素早く作成することが可能になりました。この機能の作成には123人の個人と68の組織が参加しました。また、そのうち40人以上の個人はボランティアとして参加してくれました。(※訳者注参照)
UmamiデモにおけるLayout Builderのデモンストレーションを御覧ください。
将来的にレイアウトの翻訳をサポートできるように改良が進められています。
新しくJSON:APIを安定的にサポートするようになりました
JSON:APIはデカップルドのアプリケーションを作成するための、簡単で手間のかからない仕様です。DrupalコアのJSPN:APIモジュールは機能としては完成されており、手軽に使えるようにインストールするだけで使えるサポートが充実しており、セットアップもシンプルになっています。147人の個人と76の組織がこのプロジェクトに参加しました。また、50人以上の個人がボランティアとして参加しました。
この機能を使うと、例えばhttps://example.com/jsonapi/node/article
のようなURLにアクセスし、サイトで使用可能な記事を取得することができます。フィルターをかけてある条件を持つ記事だけ抜き出すことも可能です。これらのコンテンツはデカップルされたウェブサイトやモバイルアプリケーションで活用することができます。
試験的メディアライブラリの改善
試験モジュールのMedia Libraryはこのリリースで大幅に改善されました。Media Libraryモジュールは安定的なMediaモジュールの上に作られており、画像や文書、Youtubeなどの外部コンテンツを再利用することができます。Media Libraryのアイテムはドラッグ&ドロップで管理することができます。このリリースではユーザーインターフェースのデザインやアクセシビリティが改善されました。例えば、Media Library内でメディア作成ができるようになり、より使いやすいグリッドビューとテーブルビューを使えるようになりました。310人の個人と122人の組織がこの新機能に貢献しました。また、そのうち100人以上はボランティアとしてこのプロジェクトに時間を割いてくれました!
Media Libraryのデモンストレーションはこちらです。
WYSWYGとのインテグレーションなど、Media Libraryを安定的にするためのタスクがまだたくさん残っています。
メニューとタクソノミータームがリビジョン管理可能になりました
カスタムメニューのリンクとタクソノミータームがリビジョン管理可能になりました。これによって、ノード、メディア、カスタムブロックと同様にワークフローで管理することが可能になりました。エンティティシステムが新しく実装したUpdate APIによって、他のエンティティタイプをリビジョン可能にすることができます。このAPIを使うと、どんなコンテンツエンティティタイプでもスキーマを変更してリビジョンや翻訳の可能/不可能を変えることができます。データがすでに存在する場合でも使うことができます。これらの変更はワークスペースモジュールへのサポートを含みます。
Umamiデモの新しい機能
Umamiフードマガジンのデモはもっと使いやすくなり、インストール直後に多くの機能を使えるようになりました。例えば、新しいウェルカム・ツアーが作られ、レシピがレイアウトビルダーに統合され、多言語対応しました。このプロフィールではスペイン語の翻訳を含むようになりました。他の言語も現在準備中です。187人の個人と84人の組織がUmamiに貢献しました。そのうち60人はボランティアとして参加してくれました。
UmamiははじめてのユーザーがDrupalプロジェクトを一瞬で立ち上げてDrupalを評価したり仕組みを理解するのに役立ちます。
Drupal 9への道のり
Drupal 8.7.0はTwig 2をサポートしています。(ただしTwig 2の使用時にはコンポーザーの構成にパッチを当てる必要があります。)Symfony4のサポートも進んでおり、8.8で完成する見込みです。Drupal 9が2020年7月3日に予定されており、Symfonyを主とする多くの依存をアップデートする予定なので、これはとても重要です。第三者の依存性をアップデートした上でDrupalをテストし、新しいバージョンとの互換性やサイトがアップグレードするときの問題をフィードバックすることが助けになるでしょう。
(翻訳終わり)
訳者注
Drupalはオープンソースなので全員がボランティなのでは?と思われた方もいるのではないかと思います。
確かに当初は100%ボランティアによって作られていたのですが、現在はスポンサー付きのコミットがほとんどで、純粋なボランティアとして行われたコミットは全体の12%のみになっています。
スポンサー付きとはどういうことかというと、Drupalエンジニアが仕事時間を使って開発を行い、自身が属する開発会社や開発のきっかけになったクライアント企業をスポンサーとしてコミットに記録するということです。こんな感じで。
エンジニアは仕事時間に開発できるし、企業は宣伝になるし、その他のDrupalistもその開発の恩恵に預かれるし、というわけでwin-win-winのいい仕組みじゃないでしょうか。
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