こんにちは。先日入梅し滋賀県もどんどん蒸し暑くなってきました。そろそろ暑さに耐えられなくなってきた福井です。みなさまはいかがお過ごしでしょうか?
私がこのWeb業界に入って早いもので5、6年が経とうとしています。ディレクターといっしょにこれまでたくさんのプロジェクトを経験してきました。
今回はそんな私の経験をもとに、デザイナーの立場から考えた「ディレクターがデザイナーと仕事をする上で気をつけてほしいポイント」のお話をさせていただきたいと思います。
ディレクターとデザイナーがしっかりと密なコミュニケーションを取れば、お互いへの信頼感が高まりよりスムーズに高品質なウェブサイトをお客様に提供することができるようになります。以下、私自身気をつけているポイントと一緒にご紹介させていただきます。
抽象的にではなく具体的に伝える
悪い例:「かわいいイメージでお願いします」
たとえば、お客様から「かわいいイメージ」との依頼があった場合に、「かわいい」ということばをそのままデザイナーに伝えてはいけません。なぜなら、お客様がイメージする「かわいい」と自分が考える「かわいい」が同じとはかぎらないからです。
人によってことばから連想するイメージは異なります。ですので、お客様と直接接するディレクターがお客様の意見をお伺いした上で、参考例を使ってイメージのすり合わせを行い、デザイナーには参考サイトや紙媒体をベースに指示を出しましょう。
上の画像のように、かわいいイメージと一口にいってもさまざまなタイプの「かわいい」があります。参考例を見せながらすり合わせていくことで、クオリティの高いものがよりスピーディにできあがります。
画像の修正には手間がかかることを知っておく
悪い例:「文字付け加えるだけだから簡単でしょう?」
普通にフォントデザインに沿って流し込むだけであればそこまで難しくはありませんが、文字の大きさや文章のボリュームの変更はデザイン全体に影響を及ぼします。デザイナーが完成前に「これで問題ない?」と確認するときは、それより先の作業は後からの修正が大変だったりする場合ですので、どういった部分の修正が大変なのかをあらかじめ確認しておきましょう。
たった1行の文言でも字間・字体・サイズの調整が必要ですし、その他の構成とバランスの見直しが必要となってきます。
たとえば、次のような文章の見出し部分のボリュームに修正が入ると、全体の印象がぐっと変わってしまいます。
先入観でデザイナーを縛らない
悪い例:「このバナーを目立たせたいので黄色にしてください」
こういう依頼だととても具体的で、「ただデザインするだけ」ならすぐに実行できます。ただ、具体的な一方で、「目立たせるには黄色を使わないといけない」というディレクターの先入観が含まれてしまっているので、完成形として提案できるデザインの幅も狭まってしまいます。
お客様からの直接のご要望でないかぎり、デザイン上の解決策を強引にデザイナーに依頼するべきではないと思います。見せ方・色・全体のデザインとのバランスに関する工夫はデザイナーにゆだねてしまってください。
その分、デザイナーの側には、時間の許すかぎりデザイン案を考える努力も必要になってくると思います。デザイナー目線で言うと、あまりデザイナーに先入観を押し付けないほうがより自由な発想で仕事ができると思います。逆にディレクターは、よっぽどの強い要望でなければデザイナーにすべてゆだねてみるのもひとつです。
たとえば、下の「ねんねこ猫ブログ」の画像を見てみてください。
こちらは「黄色」という指示にそのまま従って作成した例です。確かに目立ちますが、全体のデザインとあまりマッチしていません。
一方こちらは「黄色」にかぎらず「目立たせる」という要望を受けて作成した例です。目立つデザインでありながら、バックの雰囲気との調和が取れています。
シンプルなデザインが一番難しいことを知る
悪い例:「凝ったデザインじゃないんで、時間かからないですよね?」
「デザインがシンプルなら、それを作る作業もかんたんでしょ」。よく誤解されがちですが、そんなことはありません。シンプルなデザインこそがむしろ一番難しいデザインです。
と言うのも、文字間隔やタイポグラフィ、少ない要素での色使い、構成など「デザインの引き算」を考えていく必要があるからです。シンプルなデザインに比べると、効果をたくさん使ったコンテンツが多いサイトでボリューム感を見せることはそこまで難しくはありません。
シンプルなデザインを提案するデザイナーが、少ない情報で効果的に空間(余白)を使いストレスを感じさせないようにと日々どれだけ工夫していることか・・・
「シンプル=デザインしていない」の思考でいると、デザイナーの仕事や努力を正しく認識することができません。「引き算のデザイン」のためにデザイナーがやっている努力にぜひ目を向けてみてください。
お互いに歩み寄ろうとする
良い例:「この案件について詳しく打ち合わせさせてください」
まずはデザイナーの力を引き出すため、そのサイトやプロジェクトの概要についてデザイナーに話をしましょう。
一方的に指示するのではなく「相談する」「いっしょに作り上げる」という感覚でデザイナーと接していければ、よりよいディレクションワークができるかと思います。
いかがだったでしょうか?
ディレクターの方はデザイナーに依頼する際に何気なく上の悪い例のようなことを言っていませんか?
ディレクターとデザイナーは立場はちがえど同じプロジェクトを推進する仲間なので、ディレクターは伝えたつもりにならず、デザイナーはどんどん質問して理解を深め、お互いが密にコミュニケーションを取りながら仕事を進めていくとより効果的なサイト作りができていくのではないかと思います。
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