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こんにちは。プログラマーの山中です。
今回は Zen をベーステーマとしたサブテーマのセットアップ方法(=新規作成方法)を紹介します。
サブテーマを作成する、と聞くとセットアップの時点で面倒な気がしますよね。 でも大丈夫!Zenなら手動でも比較的簡単にサブテーマをセットアップすることができるんです。 Drushを使用すればたった3行のコードでサブテーマのセットアップを行うことができますよ。
まずはじめに
まず最初にさらっと サブテーマ と Zen について説明し、 その後に手動でのセットアップ方法と Drush でのセットアップ方法を記述します。
なお、この記事では 2015年7月時点 で最新バージョンの 7.x-5.5 を元に執筆しています。 バージョンが変わるとサブテーマのセットアップ方法が変わることもありますので、もしこの記事の内容を実践される場合は使用されている Zen のバージョンを確かめてくださいね 。
サブテーマとは?
Drupal には 「 テーマの継承 」というシステムがあります。 継承、という単語の通り 基礎となるテーマ(=ベーステーマ) の機能などを引き継いだテーマが サブテーマ と呼ばれます。
サブテーマ作成ドキュメントの日本語翻訳記事もございますので サブテーマについてより理解を深めたい方はこちらをご覧ください。
Zen テーマとは?
HTML5、レスポンシブデザイン、モバイルファースト、Sass / Compass、RTL(昔の日本語のように右から左へ記述すること)言語のサポート、 Zen Grid、 パンくずリスト...などに対応したベーステーマです。
ドキュメントも豊富に用意されていて、コントリビュートされているテーマの中では世界中で最も使用されているテーマのひとつです。 このテーマはベーステーマとして利用されることを想定しているため、Drupal サイト上でデフォルトのテーマに設定するとほぼ真っ白なページが表示されます。
参考リンク (英語)
Zen のサブテーマのセットアップを行う
公式の英語のドキュメントはこちらからご確認いただけます。
セットアップを行う前に準備しておくもの
まず、以下の2つの項目をあらかじめ準備しておきましょう。
- Zen テーマはあらかじめダウンロードしておくこと
- サブテーマの名前を決めておくこと
準備 1. Zen テーマはあらかじめダウンロードしておく
Zen テーマは以下のテーマディレクトリにダウンロードしておいてください。
sites/all/themes/
Drush が使える環境で Drupal がすでにインストールされている状態であれば、以下のコマンド1行で自動的に適切なディレクトリ内に Zen をダウンロードすることができます。
$ drush dl zen
上記コマンドを実行してもうまく動いていないようであれば、Drupalはインストール済かどうか、コマンドを実行しているディレクトリが Drupal のディレクトリ内かどうかを確認してください。
準備 2. サブテーマの名前を決めておく
テーマの名前については 人間にとってわかりやすい名前 と 半角英数字(小文字限定)とアンダースコア( _ )で作った名前 の2通りを考えておきます。 半角英数字(小文字限定)とアンダースコア( _ )で作った名前はいわゆる システム内部名称 と考えていただければ良いかと思います。
この記事では便宜上 「人間にとってわかりやすい名前」 を 「テーマ名」、「半角英数字(小文字限定)とアンダースコア( _ )で作った名前」 を 「機械名」 としておきます。
この記事では以下のように設定して説明を進めています。
- テーマ名: 抹茶
- 機械名: matcha_theme
それでは手動で Zen のサブテーマのセットアップを行う場合からご紹介します。
手動で Zen のサブテーマのセットアップを行う場合
英語のドキュメントはこちらから
How to build a sub-theme (Zen 7.x-5.x) - Manually | Drupal.org
1. 新しいサブテーマの場所を作成
ダウンロードした Zen テーマディレクトリ内にある STARTERKIT をコピーして 一つ上の themes ディレクトリにペーストします。
/sites/all/themes/zen/STARTERKIT
↓
/sites/all/themes/STARTERKIT
2. コピーしたディレクトリの名前を変える
コピーしたディレクトリの名前を 機械名 に変更します。
/sites/all/themes/STARTERKIT
↓
/sites/all/themes/matcha_theme
3. サブテーマディレクトリの 「STARTERKIT.info.txt」 のファイル名を変更する
サブテーマディレクトリの 「 STARTERKIT.info.txt 」 を 「 機械名.info 」に変更します。
この記事の場合だと 「 matcha_theme.info 」ですね。
4. .infoファイルを編集する
3. の工程でファイル名を変更した.infoファイルを編集します。name と description を変更します。 name には テーマ名 を設定してください。
screenshot = screenshot.png
name = Zen Sub-theme Starter Kit
description = Read the <a href="https://drupal.org/node/873778">online docs</a> or the included README.txt on how to create a theme with Zen.
↓
screenshot = screenshot.png
name = 抹茶
description = 抹茶のサイトのテーマです。
5. 読み込むCSSファイルを設定する (固定幅デザインのみ)
もし固定幅のデザインが良いのであれば style.css あるいは style.scss を少し編集する必要があります。 レスポンシブデザインが良いのであればこの 5. の工程は飛ばしてください。
Sassを使わない、あるいはSassがよくわからない場合は css/styles.css を、 Sassを使用しているのであれば scss/styles.scss を それぞれテキストエディタで開き、以下の該当する箇所を変更します。
cssの場合
変更前
@import "layouts/responsive.css";
↓
変更後
@import "layouts/fixed.css";
sassの場合
変更前
@import "layouts/responsive";
↓
変更後
@import "layouts/fixed";
6. PHPの関数名を適切な名前に変更する
もしサブテーマ内の 「 template.php 」や「 theme-settings.php 」の中の関数を使用する場合は 「 STARTERKIT 」と記述されている箇所を 機械名 に変更する必要があります。 例えば以下のようにします。
theme-settings.php (変更前)
/**
* Implements hook_form_system_theme_settings_alter().
*/
function STARTERKIT_form_system_theme_settings_alter(&$form, &$form_state, $form_id = NULL) {
/* -- Delete this line if you want to use this setting
$form['STARTERKIT_example'] = array(
'#type' => 'checkbox',
'#title' => t('STARTERKIT sample setting'),
'#default_value' => theme_get_setting('STARTERKIT_example'),
'#description' => t("This option doesn't do anything; it's just an example."),
);
// */
}
theme-settings.php (変更後)
/**
* Implements hook_form_system_theme_settings_alter().
*/
function macha_theme_form_system_theme_settings_alter(&$form, &$form_state, $form_id = NULL) {
/* -- Delete this line if you want to use this setting
$form['macha_theme_example'] = array(
'#type' => 'checkbox',
'#title' => t('macha_theme sample setting'),
'#default_value' => theme_get_setting('macha_theme_example'),
'#description' => t("This option doesn't do anything; it's just an example."),
);
// */
}
これでサブテーマのセットアップが完了しました。
7. サブテーマを有効化させる
最後にセットアップが完了したサブテーマを有効化・デフォルトのテーマに設定して実際に動くかどうか確かめてみましょう。
Drush で Zen のサブテーマのセットアップを行う場合
英語のドキュメントはこちらから
How to build a sub-theme (Zen 7.x-5.x) - Automated using Drush | Drupal.org
まずはzenテーマを有効化し、drush のキャッシュをクリアします。
$ drush -y en zen
$ drush cc drush
次に drush zen "テーマ名" 機械名
とコマンドを打ってください。
このコマンドには description を設定するオプションもあります。 description を設定するなら次のようにコマンドを入力します。 drush zen "テーマ名" 機械名 --description="テーマの説明"
この記事の設定で dscription も設定するとコマンドは以下のようになります。
$ drush zen "抹茶" matcha_theme --description="抹茶のサイトのテーマです。"
問題がなければ Starter kit for "抹茶" created in: /DRUPAL_SITE_ROOT/sites/all/themes/matcha_theme
のようなメッセージが表示されます。このメッセージが表示されたらセットアップ完了です。
なんと、たったの3行のコマンドで Zen のサブテーマのセットアップが完了するんですね!(∩´∀`)∩ワーイ
あとは以下の2行のコマンドを入力すれば、今作成したサブテーマが有効化され、デフォルトのテーマとして設定されます。
$ drush en matcha_theme
$ drush vset theme_default matcha_theme
いかがでしたでしょうか? Zen のサブテーマのセットアップを行う方法を紹介いたしました。
ベーステーマがある状態でテーマ開発を行うと 1からテーマ開発をするよりも開発コストが抑えられ、楽ができたり効率よく開発できたりしますのでサブテーマ作ったことが無い方はぜひこれを機にサブテーマを作ってみてください。
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